開業医が優秀な人材を確保する方法
開業医の先生が悩まれることの中に、優秀な人材を確保することができないという問題があります。
この悩み、実は開業医の先生だけではなく、他業種における中小企業の経営者さんも同じことに頭を抱えておられます。
そこで今回は求人を得意とする感動画が、優秀な人材を確保する方法についてお話していきます。
1: 優秀な人材を確保できない理由
はじめに、開業医の先生、中小企業の経営者、どちらにも共通している残念なことをお伝えしなくてはなりません。
それは何かと言いますと
「普通の開業医や中小企業では優秀な人材は応募してこない」
という事実です。
2017年の中小企業白書を見るとわかりますが、常に上位に入っている会社が抱える課題に「求める能力水準の応募者がいない」というものがあります。
(出典:2017年版中小企業白書)
さらに人材の採用と定着状況を見てみると、全体の約67.9%が人材を採用できていない
という結果が発表されています。
(出典:2017年版中小企業白書)
ここで注目するポイントは約67%の人材を採用し確保できていない理由ではなく、残りの約32%が「採用出来ている」と答えていることです。
はじめに申し上げましたように
「普通の開業医や中小企業では優秀な人材は応募してこない」
という事実は、実は約67%に当てはまることであり、残りの約36%は「普通」ではないため優秀な人材を「採用し定着している」と回答しているということなのです。
いかがでしょうか。
もし、自分のところも
「開業医だから、他の業種で言えば中小企業と変わらないから仕方ないか」
と考えておられるのなら、先生がそう考えてあきらめモードになっている横で、今日も優秀な人材を確保している開業医がいるということです。
2: 普通の応募から脱却する方法
では、どうすれば40%に入ることができるのでしょうか。
まず考えることは、普通の応募から脱却することです。
これまでの応募の方法というと、
- ハローワーク
- 就職情報誌
- 人材紹介会社
- 派遣会社
ご近所の方を採用したいのなら
- 新聞折り込み
- 医院の前の張り紙
こういった方法だったと思います。
しかし、これでは普通過ぎますし、先生が考えている優秀な人は、これらの情報へアクセスしていない可能性があります。
特に応募職種による対象者の年齢が若ければ若いほど、
- ハローワーク
- 新聞折り込み
こういったものに接触することは少ないです。
反対に、若年層であればスマートフォンを片時も話さず持っていますから
- ホームページ
- ネットの就職マッチングサイト
こういったところに接触し求人情報を集めていることが想像できます。
そして、次にお伝えする3つのポイントを加えることで、これまでと同じような「普通」の応募から脱却することができます。
ポイント1:応募ではなく広告
応募も集患も人を集めることに違いはありません。
ということは応募も広告なのです。
求人情報を見ている人は
- 勤務時間
- 勤務場所
- 給与
- 福利厚生
こういったことを気にしますが、それよりも
- ここで長く働けるのか
- どんな先輩たちがいるのだろう
- どんな仕事を具体的にするんだろう
近い未来についての不安や、実現したい願望を持っています。
前の情報だけの応募では「普通」です。後ろの情報を取り入れ解消できるメッセージを伝えることで「普通から脱却」することができます。
さらに、先生や先輩たちの人柄をそのまま伝えることができる「動画」を使うことで、求人活動をしている方にメッセージが届きやすくなることでしょう。
ポイント2:ペルソナ
どのようなメッセージを伝えるのか。
これには必ず「どのような自分へ」という部分が必要になります。
専門学校を卒業したところの方と、3年働いた経験のある方では、メッセージが変わってくるはずですね。
先生も同じだったと思いますが、研修医のときと今とでは、興味を引かれるメッセージが違っていると思います。
このようにメッセージは「多くの方」に伝えるものではなく(あったとしてもかなり難しいです)、ピンポイントで伝えるようにすることで「普通」の応募ではなくなります。
例えば
「○○クリニックに興味のある方はご応募ください。」
よりも
「○○クリニックなら△△のスキルを身につける環境が整っています。経験3年以上の方はご応募ください。」
こちらの方が、興味を持って見てくれる人を集めることが出来るでしょう。
ポイント3:具体的なイメージ
「明るく元気な方を待っています。」
「仲の良い職場です。」
これは普通すぎる応募メッセージです。
これでは相手に具体的な情報が届きません。また、見ている方は慣れていますので「またか」となり、選んでもらうこともできないでしょう。
ですので、このような曖昧な表現ではなく
- 具体的にイメージできること(○○のスキルが身につく)
- 勤務時間や休暇など勤怠に関わることはボヤかさずに明記する
- 経営者の想いやメッセージを届ける
- 応募している人材を具体的に書く(ペルソナ)
こういったポイントを応募するときには掲載してもらいたいと思います。
そしてここでも動画を使うことができれば、経営者のメッセージが声と映像で届きます。院内を映像で伝えると臨場感があり興味を持ってもらえます。
普通から脱却することができるでしょう。
3: 応募で安心してはいけません
ここまでは普通から脱却する応募についてお話しました。
ここからは応募があった後のポイントをお伝えしていきます。
というのも、応募があった時点で安心してしまい、採用面接が適当になっているところもあるからです。
ポイント1:面接メンバーを決める
当然な話ですが、意外に適当なところもあります。
誰が面接に出るのか。
それぞれの面接での役割は何か。
思いつきだけで質問しても意味はありませんので、面接する前にメンバー間で準備しておきましょう。
ポイント2:能力の基準を決めておく
資格や能力の基準を決めておきましょう。
必ず必要な資格。どちらでも良い資格。
絶対に外せない能力や技術。採用してから覚えてもらえば良い技術。
それぞれにあると思いますので、こういった部分も洗いだしておくと、採用を決めるときの材料になります。
ポイント3:育成
能力や技術に関連しています。
これは採用する対象によって変わります。
新卒採用なら育成には時間を使うことになります。
中途採用なら即戦力になります。
どちらを採用するときにも、メリットデメリットがあります。
どこまで許容できるのかを決めておくことが大切です。
育成の時間が確保できないのに、新卒採用をしてもお互いにとって幸せな状態には成り得ません。
中途採用の方へ、すぐに自分の医院の常識を教育することは難しいものです。
許容範囲を決めておくことは、お互いにとって大切です。
4: 他にも知っておきたい採用のポイント
他にも知っておきたいポイントがあります。
(1)履歴書
写真は大事です。写りがどうのというのではく、スナップ写真を切り抜いて貼ってくる人もいます。これをOKとするかどうかはあなた次第です。
(2)職務経歴書
文章能力を見ておきたいですね。文章能力は思考が整理できているかどうかを表します。
(3)社会人としてのマナー
遅刻をしない。
礼儀作法は知っている。
服装は雰囲気にあっている。
態度や姿勢、話し方。
どういったところまでがOKで、どこからがNGかは誰にも決められません。
採用する人のルールが全てです。
ただし、採用すると患者さんへの接遇はついて回りますから、その辺りは考えておかないと痛い目に遭うことは間違いありません。
5: まとめ
優秀な人材を確保する方法についてお話してきました。
ここまでの内容のとおり、普通の応募では興味を持ってもらえないということです。
特に優秀な方を採用したいのであれば、相応の情報を明確に伝える必要があります。
今回の内容を参考にしていただき、優秀な人材確保を実現してください。