最新の人材確保方法:「営業型人材確保」と「積極的確保」
今医療福祉関係の人材不足から一部の地方自治体では、採用活動のノウハウを持った、専門のアドバイザーの派遣を始めようとしているそうです。
少しでもプラスになるのであればという事で、この様な制度も注目されています。
また人材確保の為のセミナーなども開かれる数が増えていて、そこに出席すると、なかなか人材が集まらないという現場の苦しみの声をよく耳にします。そんなセミナー会場で聞いた事をお話しをしたいと思います。
どういう会社、施設、病院が人材確保ができているのか?
現在、様々な企業があり、どこもが人材不足と言われているこの時代に、人材確保ができている会社、施設が存在します。そのポイントは何だと思いますか?
好印象を与えるスピード感
人材の確保に成果が出ている企業や施設の方達のお話を伺うと、ちょっと我々とは意識が違う事に驚かされます。そして色々なユニークな方法を取り入れています。
まず通常の雇われる側が企業に気に入って貰える様に、積極的にプレゼンテーションをしてくる。コンタクトを取って来る。だから募集をかける側は待つだけでいいという従来の考え方は大きな間違いで、雇う側が積極的に、人材にアプローチしていく必要があると言います。
まるで、企業が顧客を獲得する為の営業活動をする様です。
とにかく、スピードが命という事で、メールでの問い合わせがあった場合、
必ずその日のうちに返信して、素早い対応をアピールします。
レスポンスが遅いと、優秀な人材はさっさと違う所に行ってしまいます。
人間関係の構築を行う
またそれだけではなく、欲しいと思った人材にメールを送る場合に、通常のメールのテンプレートに加えて、その人材専用のオリジナルのメールを送るなどの工夫をしています。
それだけ他社との差別化、人間関係作りを行なっています。
人材との接点を作る為に、まずは、気軽に面接でも来てみたらと、会って関係を作るという事を重視しています。
履歴書さえ持って来なくていいから、会ってみようとする企業さえもあります。
時間を割いて会ってみても、空振りだった場合時間の無駄です。効率が悪くならないのか?と聞いてみると、その考えは間違いだと言います。
求職者にとって新しい職場は未知の領域です。
新しい職場で、自分は新しい仕事に対応できるのか?どんな人達が働いているのか、上手く馴染めるのか?様々な不安が付きまといます。
求職者の不安というハードルを少しでも下げるというのが目的です。成果として必ず帰ってくると言うのです。
また、面接に於いても、「こちらが選んでやってる」とか「時間を割いてやっている」の様な態度は間違っても、取る事はありません。その理由は優秀な人材は、人を見る目を持っているからです。
企業も面接を行い、この人材は戦力になるのか?能力はあるのか?長く働く事が出来るのか?と、色々な角度から、分析し考えますが、それは相手も同じです。特に働く場所を選ぶ人達は、面接を行う面接官の仕草や話し方、態度などでこの職場はダメだとか、良さそうだから候補にしようという事を決める事が多いそうです。
不景気だった買い手市場の頃とは、全く違う考え方を持つ企業が、人材の確保に成功している様です。
各部門とのコミュニケーションも重要なポイント
人材の確保について、スピード感を持って対応するという事と、人間関係を構築するというお話をしましたが、これは興味を持って来てくれる求職者との対応だけの話ではありません。
社内の各部門とのコミュニケーションや根回しなどにも言える事です。
どうしても欲しい人材が現れた場合、一次の面接が終わってからすぐに、配属先の責任者や役員のスケジュールを確認します。もし、可能なのであればすぐに次の面接をセッティングし、その日のうちに次の面接までやってしまう事さえあるのです。
その行為は採用する側の情熱の現れとも取って貰う事も出来るし、早く人材を確保できるというメリットもあります。当然事前にその様なイレギュラーな対応をする事も各部署、各役員にも伝えておく必要がありますし、その必要性を共有しておかなければ、実現する事は出来ません。その為には普段からの人間関係の構築や、ネゴシエーションが必要になって来る場合もあります。
面接前の職場見学を実施
あと一つ優秀な人材を取り込む方法として、各業界で取り入れ始めているのが、面接前の職場見学です。
勤務地や給与面など基本的な条件以外に20代から30代が転職の際に重視するのが社風です。
これは、実際に働いてみたら、思っていた職場と違ったと後悔したくないから、その職場の社風を知りたいのです。しかし、求職者が実際にその職場の社風を見極める為に行なっている事は、面接時の面接官の印象で殆ど判断しています。面接官の話し方、話の内容、雰囲気、態度などで社風を判断しているのです。後はホームページを見るか、働いている年齢層を調べるなど、その程度しか判断材料がありません。
職場見学や実際に働いている人に会う事が、自分の就職活動に有効だと思いながらも、実際にはそれをやらずに職場を決めているという統計もあります。
下見を行う人は多いのですが、それはあくまでも、職場の外からであって、職場見学を申し出るという人は殆どいません。求職者が求めている情報を先手を打って提示するという事で、面接前の職場見学はとても有効です。
また職場見学のメリットは、せっかっく集めた人材も、いざ職場に配置してみると思っていた職場と違うというギャップが生まれ、早々に辞めてしまうという、ミスマッチを防ぐという事も出来るのです。