集客に活かしたい最新のOOH
これまでいわゆるOOH(OUT OF HOME)といわれる交通広告や屋外看板などの広告媒体、どちらかといえば認知系施策、ブランディング、キャンペーンなどに使用され、その効果を図ることは難しいとされてきました。
しかし最近ではプログマティックOOHなど、デジタル技術を用いて、季節や時間、天候などにより広告の出し分けができたり、広告ごとのターゲット注目率を測定し、それを今後のマーケティングに生かすといった動きも出てきており、いよいよ効果の曖昧さというものが消えつつあるようです。
また、広告もアドサーバーを通じてターゲットごとに細かく送信できるため、小ロットの取引が可能で、コスト削減にも大きく貢献しています。
今回は最新のテクノロジーを使用したOOHについてご紹介したいと思います。
目次
<街頭ビジョン>
街頭ビジョンは基本的には不特定多数をターゲットにした広告媒体ですが、その街ごとに通行者の属性は変わってきます。例えば渋谷であれば若い世代やティーンがメインですが、新橋であればサラリーマンがメインターゲットとなります。
・ユニカビジョン
新宿駅は日本の中でも最も乗降客数の多い駅のため、駅付近には大きなビジョンが多数存在します。中でも新宿駅東口のヤマダ電器の入るビルに設置されているユニカビジョンは特に存在感があるビジョンで大きく湾曲したデザインに大型の3面のビジョンが目立ちます。こちらのビジョンでは連動したアプリを使用することでビジョンから流れる音声を高音質サウンドをスマートフォンで聴くことが出来ます。
<参考>
https://www.yunikavision.jp/
<電車内サイネージ>
・埼玉高速鉄道
2019年11月中旬から埼玉高速鉄道車両内に順次設置されている「ダイナミックビークルスクリーン」というカメラとIoT機器を搭載したこのデジタルサイネージでは、温湿度を計測したり、社内の混雑状況を把握、カメラからの情報をもとに乗客の性別、年代なども把握していけるとのことです。その情報をAIが解析し、今後は様々な状況やターゲットに応じて細かく情報を出し分けして行くことが可能になります。
<参考>
https://www.s-rail.co.jp/public/dynamic-vehicle-screen-faq.php
<タクシーサイネージ>
タクシーサイネージはかつては車内のパンフレット設置、もしくは車体へのラッピングがメインでその活用や広告効果の検証は難しく、どちらかというと認知施策として捉えられてきました。しかし今では認知施策だけでなく、よりサービスや商品の購入に繋がるようにターゲットごとに絞り込んで配信したり、QRコードでウェブサイトに誘導したり、期間内の広告配信数を集計してレポートとして提出することで次回の広告施策の資料としたりと工夫されています。
その他タクシーサイネージの強みとしてはやはり、経済力や購買力のある富裕層に対してアプローチすることができる点や、パーソナルな空間で落ち着いて視聴できること、また強制的に広告を視聴させることができる点ではないでしょうか。この点が電車内のサイネージと大きく異なる点です。ターゲットが不特定多数でなくビジネスターゲットであったり、富裕層であれば間違いなくタクシーを選ぶべきでしょう。
下記にタクシーサイネージの一部をご紹介いたします。
<UBER>
ライドシェア大手のウーバーテクノロジー社がAdomniと提携して、車の上にデジタルサイネージを設置する計画を進めています。この媒体の広告はプログラムベースで場所や時間帯に応じて購入が可能となっています。
<参考>
<GROWTHタクシーサイネージ>
ソフトバンクテクノロジー社によるタクシーサイネージです。設置台数約10500台と都内で最大規模、国際自動車、大和自動車交通のタクシーに搭載、東京のみの広告出稿可能、時間帯や曜日別に広告を出すことも可能です。
<参考>
https://growth-tokyo.jp/
<Premium Taxi Vision>
DeNA社によるタクシーサイネージです。東京、神奈川、京都、大阪、神戸と幅広いエリアで展開、日の丸自動車のタクシーに搭載、安価のためリーチ数を確保できるのが特徴です。ちなみに東京、大阪、神戸だけ広告を出すことも可能です。
<参考>
https://dena-taxiad.jp/
<TOKYOPRIME>
IRISによるタクシーサイネージです。東京、神奈川、埼玉、千葉、名古屋、京都、大阪、神戸、札幌、福岡と全国的に展開。日本交通のタクシーに搭載し、質の高い動画コンテンツと広告が特長です。
<参考>
https://dena-taxiad.jp/
<DIDI TV>
DIDIモビリティジャパンによるタクシーサイネージです。東京、愛知、大阪、京都、兵庫、北海道、宮城、広島、福岡と全国的に展開。第一交通、コンドルタクシーに搭載、非常に安価のため広いエリアで広告を出しやすいのが魅力です。
<参考>
https://didimobility.co.jp/diditv/
・AIを活用したOOHの未来像
上記のように今まではどちらかというとアナログメディア 、オールドメディアに近いイメージだった屋外広告(OOH)でしたが、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展に伴い、IOTを通じたビッグデータの活用のためのタッチポイントとして大きく変わりつつあります。
例えば一つの事例として通行者がサイネージに接近すると、AIが自動的に通行者の年齢や性別などを認識し、その人にあった商品を画面に表示するというものがあります。タッチスクリーンや、スマホに瞬時に広告を連動させることができれば、ウェブマーケティング同様の運用ができるようにもなるでしょうから今後はこのようにウェブマーケティングだけでなくOOHと言われる屋外広告でも運用型広告が増え、KPIに沿った広告運用が求められて行くのは間違いないと思われます。
今後は今までのように効果の予測が立たない広告、果たして売上に貢献したのかがわからないといった広告は滅んで行くことでしょう。
これからの時代、広告マンや媒体に求められる基準はデジタルを活用してどれだけコストパフォーマンスをあげていけるのか、また結果をフィードバックすることで広告だけでなく商品やサービスの質自体も上げていけるかなど広告主の要求はさらに厳しくなって行くことでしょう。