集客のための広告メディアの未来!TVメディアは生き残れるか!
新型コロナの感染拡大により世界的に経済へのダメージが深刻になっています。また、デジタルも含めた全てのメディアの存在意義が問われ、衰退するメディアと生き残るメディアと大きく別れていくことでしょう。今回はウィズコロナ及びアフターコロナ期において集客に大きな影響を与える広告メディアがどのように変わって行くかと考えていきたいと思います。
・TV
コロナの感染拡大の影響で、在宅率が上がり報道番組を中心に視聴率を伸ばしています。ただ、バラエティやドラマに関してはまだまだ番組収録が進まず、過去の番組の再放送をメインにしたリモート編集といったTV番組が目立ちます。
TVCMについても屋外ロケや集団での撮影ができないため、CGやアニメなどを活用したものが目立ちます。TV番組についてはコロナ収束後はおそらくリモート型と通常型と併用して行くことによって番組の幅が広がって行くのではないでしょうか。
TVCMについては地上波に放送するだけでなく、ここのところ視聴者を増やしているTVerやGYAOなどでのドラマやバラエティの見逃し配信を通じて広告を出稿するケースが増えてくると思います。広告料金も地上波で流すよりも同じ番組で同じターゲットを狙って低額で出稿が可能なところも大きなメリットです。
・ラジオ
災害時にその力を発揮するラジオはコロナ感染拡大の中、デジタル放送のラジコを中心に着実の聴取率を伸ばしています。ただし、音楽メインの番組についてはSpotifyなどのサブスクリプション型配信サービスの普及により今後は厳しくなって行くかもしれません。
またラジオのリスナーは何よりもそのパーソナリティーの信奉者が支えていますので、その局がどれだけ影響力のあるパーソナリティーを獲得できるかも大きな鍵となるでしょう。ラジオCMも現在では地上波だけでなく、登録リスナー属性に基づいてネットで広告配信を行うことも可能となっています。
・雑誌
雑誌はここ数年特定の雑誌以外、部数を落としているものが多く、廃刊になる雑誌も増えてきています。そのため各社オンラインに力を入れており、広告も純広だけでなくタイアップ広告の実施やタイアップ広告のアーカイブ、二次利用など商品メニューも充実しています。今後生き残るのはやはりオンラインによるコンテンツの活用と情報発信力に他なりません。
・新聞
新聞は雑誌同様毎年部数が落ちていますが、コロナ禍で在宅比率が上がると購読時間が増えたため、広告の接触時間は増えました。新聞広告も現在オンラインに力を入れており、雑誌同様オンラインならではの様々な広告メニューを用意しています。また、シニアには根強い媒体ですので、健康食品や老人ホーム、シニア向け保険などの広告需要は今後も当分続くと思われます。
・インターネット
コロナ以前より売り上げシェアはTVCMに迫っておりましたが、2019年にはインターネット広告費が2兆円を超え、ついにテレビを逆転しました。今後も大手企業を中心に顧客の囲い込みやデータを活用したさらに精度の高いアプローチのほかSNSの新しい活用やDSPやアドネットワークの進化はさらに加速して行くことでしょう。また、cookieやフィンガープリントに変わるコンテクスト(文脈型)から個人を推定する新しいターゲティング手法も確立されてきています。
・屋外広告
屋外広告については媒体の中でも特に大きなダメージを受けています。電車内の広告、駅サイネージはもちろんのこと、タクシーサイネージなどの新しい広告媒体も軒並み減収しています。コロナ収束後にはある程度は回復が見込まれますが現在進められている天候や地域、性別などで広告素材を出し分けのできるプログラマティックOOHなど新しい媒体については屋外広告の新しい形として定着して行くものと思われます。
・インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングについてはSNS市場の拡大とともに今後もさらに発展していくでしょう。
インフルエンサーマーケティングはSNSの中でフォロワーをたくさん持っている人に商品を紹介してもらう手法で、代表的なものにInstagramやTwItterのインフルエンサー施策があります。また最近では漫画を使った投稿などもあり、高い効果をあげています。ただ気をつけなければいけない点としてはPRという表記をしなければいわゆるステマ(ステルスマーケティング)に当たり、違法行為とみなされてしまい、せっかくのPR施策が逆に信用低下による大きな損失につながりかねません。きちんとルールに則ってうまく活用していく必要があります。
※ステマ(ステルスマーケティング)とは
批難やネット炎上の対象になるいわゆる「サクラ」と呼ばれる手法です。バイラルとステルスとの違いは、バイラルがあくまで消費者の意見や評価をまっすぐに受け止める企業姿勢があることに対して、ステルスマーケティングは芸能人やインフルエンサーに謝礼を支払うことで自分の意思とは関係ない虚偽の評価をしてもらうことです。もしこのステマが発覚した場合、会社に対する信用も失墜し、その後のビジネスに大きなマイナスの影響を与えますので、くれぐれも注意が必要です。
今後伸びるメディアについては、インターネットはもちろんですが、オンラインコミュニケーションがより便利になるようなアプリや今後進むであろうIoT(インターネットオブシングス)maas(モビリティアズアサービス)からのデータを活用した、第3者を介さないダイレクトコミュニケーションも予測されます。なぜならAmazonのレコメンドサービスが証明しているように、消費者の属性だけでなく日々の活動をビックデータとして集約・分析・活用して行くことで機会を逃さない効率的なマーケティング活動が可能となるからです。
少なくともはっきりしているのは今後のマーケティングにおいてはどれだけ生活者データを確保できるか、メディアや広告会社はもちろん広告主をも巻き込んだ覇権争いになって行くことでしょう。また、かつては認知施策・ブランディング施策としてのマス広告もその効果測定を強く求められています。オールドメディアはいかにデジタルと連携していけるかが大きな鍵となることでしょう。