どうやったら稼働率が上がるのか?~介護事業所の稼働率・集客率向上の秘訣~
介護保険事業は奉仕の精神とよく言われます。その為、集客や売り上げという言葉はあまりふさわしくなく、敬遠される傾向が強いのが現実です。しかし、介護保険事業も立派なビジネスです。集客できず、売り上げのない事業所はどんどん潰れてゆく運命にあります。
この記事では、介護保険事業はサービス業という視点に立って書きました。この記事が皆様の事業運営に役立てば幸いです。
日々の業務を大切にしよう、基本を大切にしよう
当然の事ですが、介護施設にとって一番大切なことです。
そんなこと分かっているよ、と言われるかもしれませんが意外と出来ていない事が多いです。
いくら利用者様を集客したところで基本的なおもてなしやマナーが守られなければ本末転倒です。
「当たり前の事を当たり前にやる」どの業種にも共通した基本中の基本です。基本を大切に日々の業務に取り組んでいれば自ずと良い噂が広まり、集客力が高まってきます。実はこの方法、遠回りの様で一番の近道です。
空き情報の開示
ケアマネージャーにとって事業所の空き情報はとても大切です。
すぐにでも紹介したい人がいる場合、空き情報が優先されることが多いです。時間を省くためにも、確実なところから押さえたいというのは人情です。
また、空き情報は常に変化するものです。いつのものか分からない空き情報ではかえって不安にさせてしまいます。その為にも常に事業所の空き情報を随時更新してゆくことが肝心です。
更新の仕方は様々ですが、一般的にはホームページやブログ等を使って開示しているケースが多いようです。
名刺交換の済んでいるケアマネージャー様がいる場合は直接FAXでお送りするか、持参して手渡しするのも手です。
ここで大切なのは必ず定期的に更新し続けることです。
「毎週決まった曜日で更新やFAXする」を業務の一つに加えておいてください。
それをし続けると受け取る側が「そろそろ来る頃だな」と認識してくれることと思います。
事業所の売りを認識する
営業マンが自社の商品を売り込む時に認識していることは、
という事です。これは介護事業所にとっても同じことです。
介護保険の中ではどうしても同じ様なサービスとなる傾向があり、使う側としては「どこを選んでも同じでしょ」と思っている事が多いですが、それは違います。
確かに介護保険法の中なので出来る事は限られますが、他事業所と比較した場合の「強味」、例えばレクリエーションや機能訓練、食事の充実度やセレクトおやつなど自分の事業所が他より抜きんでている所をしっかりと認識することが肝心です。
「ウチの事業所を使えばこんないいことがある」という事を十分に理解した上で、胸を張って売り込む事が大切です。
ご様子の報告方法を工夫する
自分の家族や利用者様がどのような様子で過ごしているのか?
気になるところです。
大切なご家族やご利用者様を預かっている以上、事業所としては報告の義務が発生します。
どこの事業所も「お変わりありませんでした」や「お元気に過ごされました」とするのが関の山です。このような報告ではご家族やケアマネージャーには伝わりません。
そこで、報告方法を少し工夫してみましょう。例えば、
- どのような利用者様とどのような表情で交流していたのか?
- どのような雰囲気の中で過ごしていたのか?
- 何を食べて何をして過ごしていたのか?
等、ご家族やケアマネージャーが気になるところは写真に収めてみてください。
それを毎回ではありませんが月に一度まとめてお渡してみると良い反応がかえってきます。文章で報告するよりもリアルな報告となるでしょうし、事業所の中身も伝わり宣伝効果にもなります。
中には写真ではなく、ホームページに動画をリアルタイムで配信している事業所もあります。利用者集客の大きな要因となる事間違いありません。
連絡会に参加する
これは年単位での開催がほとんどですが、行政が主導する「認知症○○についての勉強会」や「ケアマネ○○についての報告会」など不定期で行われていることがあります。
そのような会は事前に、各事業所へ参加の有無を求める通知が郵送されてきます。その際はスケジュールを調整して、参加してみましょう。
ご利用者様を紹介してくれる先は多岐に及びます。同じサービスを提供している事業所から相談を受けることも多くあります。その点で、横のつながりと縦のつながりが大切になってきます。自分自身のスキルアップと、集客の為に定期的に参加してみてください。
定期的に内覧会を開催する
内覧会と聞けば、新規開設の事業所が行うというイメージがありますが、既存の事業所が定期的に開催しても何ら問題ありません。
「食事の形態を一新しました」や「新しい体操プログラムを開発しました」等の理由で内覧会を開催するのもよいでしょう。
食事に関しては試食して頂き、体操に関しては実際に参加者に行って頂き、効果を実感してもらう。内覧会を行い、定期的に外部の方の目に触れる機会があれば、中で働くワーカーさんにも良い刺激となる事でしょう。
キャンセル防止と対応
デイサービス等での悩みとして「キャンセル」が挙げられるかと思います。
キャンセルを希望される方に対して無理強いはできません。キャンセルを受け入れるしかないです。しかし、当日のキャンセル等は補充も効かないので事業所としてはとても痛手です。
そこでキャンセルを人別にデータ化してみましょう。
キャンセルの時期や理由も加えておくと尚よいでしょう。データを取り続けてゆくとある程度の予測が可能となります。片側ではキャンセルが出た場合、当日にご案内出来るか方のリストを作成しておきます。それにより当日キャンセル=当日補充という流れが出来上がります。
キャンセル料金の設定
キャンセル問題のもう一つの方法として「キャンセル料金の設定」が考えられます。キャンセル料金は各事業所の任意設定ですので、自由に決めることが出来ます。
その為、食事料金のみや、頂いていない、という事業所が多いのも事実です。
そこで思い切って高額に設定してみるのも手です。
この方法は逆効果を生むことになる可能性もあるので慎重に進める必要があります。