超高齢化社会におけるシニア集客マーケティング
現在、日本のような超高齢化社会におけるマーケティングはいわばシニアを起点としたマーケティングの考え方が重要になってきます。たいてい常に身近にお年寄りがいるため、住宅、車、食事までシニアを抜きにしてマーケティングは語れないという時代となっているのです。今回は特にアクティブシニアと言われる可処分所得の高いシニアに向けた集客のための広告・マーケティング施策について考えてみたいと思います。
目次
アクティブシニアの特徴
アクティブシニアとは、
・仕事や趣味に対して意欲的
・新しい価値観を取り入れる
・健康意識が高い
・自立意識が高い
などのように一般的に「仕事・趣味などに意欲的で、健康意識が高い傾向にある層のことを指します。
シニアマーケティングにおいては、アクティブシニアは購買活動が活発という傾向があり、特に不動産、宝飾品、リゾート会員、旅行などのターゲット属性として有力視されています。
アクティブシニアの消費傾向・嗜好
アクティブシニアの属性傾向としては時間・金銭面に余裕があり、それらを自らのために有意義に使う傾向があります。アクティブシニアは、例えば下記のようなものに興味を持ちやすい傾向があります。
旅行
国内旅行では北海道、沖縄、海外旅行ではハワイやヨーロッパ、特に富裕層においては豪華客船のクルージングが人気が高いようです。
買い物
一般層では特に自分のための買い物はしなくても子供や孫のための消費は惜しみません。特に有名なものにランドセルがありますが、これは夏の需要期に向けてシニアを狙ってCMを打つケースが多いです。
趣味
一般的には男性はゴルフ、女性の場合はカルチャー教室などにおかけをかけるケースが多いようです。
投資
定年退職された方は退職金を株の運用に回す方が多いようです。
またアクティブシニアの方は新しい価値観を手に入れたい欲求が強くみられます。そのため「新しい旅行先」や「新しい趣味」などに時間とお金を消費して楽しむということを求める人が多くなっています。
例えば、近年は夜遊びを楽しんでいるシニア女性も多くなっており、シニア女性を対象に行った夜の外出に関する意識調査では「約70%のシニア女性が最近3か月で夜の外出経験ありという調査結果も出ています。
このことから、やはり女性をキーパーソンとしたマーケティング活動を行なっていくことはアクティブシニアマーケティングとして重要であることがわかります。
<アクティブシニアの最近の傾向1:SNSに慣れてきている>
アクティブシニアの情報の流入元については、女性の場合は横だけでなく子供や孫などの縦のコミュニケーションも多いため、男性に比べて流行に敏感でSNSなどの利用率も高いです。特にLINEなどは子供からの勧めで始められることが多いようです。かつてはシニア世代はインターネットやSNSなどは使わないため、インターネット広告を避けるケースも多かったのですが、今ではスマホの普及率に従ってシニアでもSNSのヘビーユーザーも出てきています。
<アクティブシニアの最近の傾向2:行動範囲が広くなってきている>
男性の場合、定年退職などで職場を離れると、交友関係が一気に狭まる人が多い中、女性の場合、交流関係が続くケースも多く、特に国内旅行や近場での飲食店などでの消費が多いようです。
<アクティブシニアの最近の傾向3:健康や美容を維持に時間を惜しまない。>
これは性別や所得にかかわらず、子や孫を持つ世代の人間なら誰もが願う共通の思いとして、病気になって子や孫に迷惑をかけたくないという意識が強いとうことです。
アクティブシニアの接触率の高い広告媒体
新聞
新聞は年々部数が減少しており、独身の方や若いファミリー層では新聞を購読していない人も多いようです。ビジネスマンであれば日経新聞を読む人も多いかもしれませんが、こちらも電子版の利用率が高いと思われます。しかしシニア世代は新聞を読むことが社会とつながりにもなるため、購読を継続されるかたはまだまだ続くでしょう。そのため、シニアに関しては新聞広告はまだまだ有効な手段となります。広告コストは逆に下がっているため、広告のクリエイティブや仕掛けをつくることでコスパはまだまだ上げれると思います。
雑誌
雑誌は4マスの中で最も落ち込みの大きなメディアで、ここ数年で廃刊や休刊に追い込まれる雑誌も多く見られます。しかし、各誌の状況を見ると雑誌全てが落ち込んでいるかとおもいきやそうでもないようです。シニア向けであれば文藝春秋や週刊文春などはまだまだ堅調ですし、女性向け雑誌で言えば、女性自身や女性セブンなども順調、シニア向け通販雑誌であるハルメクなどもここ数年の雑誌不況の中でも衰えることなく成長しています。インターネットメディアが年々増え、接触者が増えていっても、紙媒体特有の魅力は失われることがないのです。雑誌広告もきちんとターゲットに合わせて絞り込み、雑誌ならではの特徴(ビジュアルの美しさ、保存性の高さ)を活かした広告クリエイティブにより、反響を求めることは可能です。ちなみに富裕層向けの雑誌にはNILESやクラブコンシェルジュなどがあります。
インターネット
インターネットメディアは凄まじい勢いで増えており、今後の通信環境や、プログラムの進化により、より利便性を上げるだけでなくホログラムなどを利用した体験型の広告プロモーションなど斬新なものも増えてくることでしょう。今のところシニアが使いこなしているとは思いませんが、特定のメディアの利用者は増えています。たとえばSNSでいえば男女共にLINEの利用率は高く、男性で言えばFacebook、女性はInstagramの利用者も増えてきています。しかし、その接触頻度は若年層と比較するとまだまだ低く、接触時間も短いようです。しかしながら、超富裕層になると意外とスマホは購入せず、いまだにガラケーのままだったりする人もまだいるようです。