きつい職場でも離職率を下げる方法(辞めない社員の育て方)
退職者が減る・辞めない社員を育てるということは採用を増やすより効果的に人事を回せることに繋がります。
そのためにはどうすればいいののでしょうか?
結論をいいますと、離職率を下げるために、集団心理やリーダーシップ、褒めを利用するのです。
これから書く記事の方法を実践すれば、新入社員(中途、新卒どちらでも可)の離職率を下げることができます。ぜひ実践してみてください。
永遠の課題である「離職率」「退職人数」
人材の採用および育成を行う上で永遠の課題となってくるのが、採用した社員の離職率です。
特に厳しい労働環境であればあるほど、それに比例して離職率が高くなります。
私が自分自身の経験を踏まえ、採用した人材の離職率を下げる方法をこれからお話しいたします。
現在私は営業会社の人事および新人育成にかかわっていますが、前職はサービス業で、同じく新人の育成に関わっていました。この2つに職場で経験し分かったことは、人材の育成・維持には以下の2点が重要となるということです。
A.集団心理(仲間意識)を利用する
B.とにかく褒めて伸ばす
今回は上記の2点について順に解説いたします。
集団心理のコントロール
まず集団心理についてですが、採用した人間がたとえば12人の場合、彼らを3つのグループに分けます。少人数でのグループが好ましいです(理由は後述)
そうすると4人グループが3つできます。ここで重要なのが、一つのグループにリーダーを設置するということです。そして、このリーダーにグループの意見や、メンバーのメンタルフォローを任せます。
加えて、このリーダー(3グループですと3名)に、社内のミーティング(管理職や、役職者等、職位の人間が多数出席する)にあえて出席させます。
彼らには、リーダーとしての難しい課題を特別与えるわけではなく、ただミーティング内での自分たちの考えや意見、グループメンバーの状態や悩み、及びそれに対してどう動いたかを報告させます。このような動きを続けることによって、下記のようなメリットが生まれます。
- 少人数のグループで班長を中心に助け合い、フォローしあうことによって、全員の連帯感が強まり、離反者が発生しにくくなります。
- 会議に出席し意見を求めたり、入社したばかりでは考えられないような距離感で重役と会議を重ね、意見交換やアドバイスをもらうことによってリーダー自身に責任感が生まれ、彼ら自身で考える力を養うことができます。かつ、リーダー自身も優越感を味わうことができ、自然とリーダーとしての役割を全うしようとします。
結果、特にリーダー3名が仕事に対して精力的になり、成績が伸びます。そしてそれを感じた同グループのメンバーたちも触発され、部署全体の動きがよくなります。 - 協調性のない人間、一匹狼キャラの人間を逆にリーダーに据えることによって、頼られることの喜びや責任感を植え付けえることができ、協調性を養うことができます。
これは今努めているか会社で特に実感したことでもあります。まったく協調性がなく、周りに溶け込もうとしない社員が、実際にリーダーとして過ごすうちに仲間に頼られるようになり、自然と自分自身も仲間に頼るようになり、面倒見のいい人材に成長し、優秀な成績も残すことができています。
ただ、メリットがある反面、以下のようなデメリットも存在します。
- グループ内で軋轢が生じると、少人数であるがゆえに、成績やグループ内の動きに支障が出やすくなります。仲間外れになるメンバーができたり、班長の意見に従わないメンバーが出てきたりすると、途端にまとまりがなくなってしまいます。
- メンバーのなかでメンタルの落ちた人間、離職希望者がでると、周りに波及するスピードが速いです。少人数で絆が強くなるため、一人が辞めたくなると同じグループ内のメンバーのネガティブな感情を呼び起こしやすく、離職希望者が続出する可能性があります。この対策として、リーダーにメンバーの精神状態を把握させるとともに、人事管理者側も彼らの仕事へのモチベーションや顔色を注意深く観察し、少しでも違和感があったら先手を打ってフォローする必要があります。
褒めて伸ばす
次に、「褒めて伸ばす」に関してです。ベタな方法ですが、基本であり、最も効果的な指導法であると考えます。
割合としては、9:1=褒め:指摘といった形で指導を行っていきます。
新入社員は、入った頃は社内の雰囲気やルール、風土になれることで精いっぱいであり、既存の社員にとっては当たり前のこともこなすこなすことができません。これは、彼らが「わからない」からであり、何が「分からない」かすら「分からない」状態であるからです。
こういった状態の社員に対して、初めから怒ったり指摘をしたりすると萎縮してしまい、「やらされている」状態になります。こうなると彼らの中には自主性が失われてしまい、自ら学ぶ姿勢になりにくくなってしまいます。
このようになるのを防ぐために、まずはこちらの教えた内容を実践させて観察し、どんな些細なことでも、達成できた際には褒めてあげることが重要です。特に女性社員には、ストレートな言い方でも比較的良い男性に比べて褒めることを意識する必要があります。
そして褒めてあげた後に、「~~できたね!よくやったね!すごいね!次は○○を意識してみよう(実践してみよう)」と次の作業を与えたり、改善点を指摘してあげることで、彼らは自分たちの成果を認めてもらったうえで次の課題を与えられていると感じます。
ここでの注意点は、褒め方が一本調子、及び抽象的にならないようにする、ということです。
褒め方が毎回一緒であったり、没個性的な褒め方であったりすると、本当に思って言っているのかわからなくなったり、褒められることに悪い意味で彼らが慣れてしまいます。どこがすごかったのか?彼らのどんな点に助けられたのか?といったポイントを具体的に褒めてあげることが重要です。
褒めて伸ばす指導を続ければ、自然と褒めてくれる上司に対して人心や信頼が集まりやすくなるため、来るべき、いざ叱る!というタイミングにおいても、こちらの言葉に耳を傾けてくれやすくなります。信頼されていない上司に厳しい言葉をかけられても、響かなかったり、ただ単にもモチベーションを下げるのみになってしまうことが多いためです。
人材の採用、育成を行う上で重要なのは、以下のポイントです。
- 集団心理
- 褒め
仲間意識を社員同士で持たせ、ほめることを中心に育成していくことによって、組織に対して従順であり、かつ自主的に考える能力を持った人材を育てることができます。
かつ離職率も下げることができます。