介護の現場で人材の集め方を間違っていませんか?
介護の現場で問題になっている「離職」。
東京にある介護施設では、正職員の20%が離職するということも起こっていたそうです。
また別のところでは人数で例えると、15人採用したのに1年経過すると2/3がやめていたということもあるとか。
共に過去、NHKで報道されていた内容ですが、今もあまり変わっていないのではないかと感じます。
では、このような状態を改善するためには、何を行う必要があるのでしょうか。
今回は、介護の現場における人材の集め方についてお話していきます。
1: 東京商工会議所のレポートで提言されている10カ条
はじめに、優れた人材を確保するための提言が、東京商工会議所のレポートに出ていますので見ていきましょう。
(出典:東京商工会議所 https://www.tokyo-cci.or.jp/survey/training/file/10kajou3.pdf/)
(1)働くことが楽しくなるような事業分野で勝負
人に役立つ仕事。感謝の言葉を直接聞ける仕事。
こういったことが続くところは人材も確保できるところでしょう。
(2)明確な方針をわかりやすく伝えよ
施設の理念や方針を「わかりやすく」、全員に伝えることが出来ているかどうか。
「スタッフ同士がきちんと挨拶する」など、基本的なことも含めて理念や方針として浸透しているところは、離職者が減ることは簡単に想像できます。
(3)トップが先頭に立って必死で育てる
現場丸投げではいけません。
でも、そうは言ってもトップは忙しいから、スタッフと直接関わることはできない。
そんなときには、ネットの力を使ってメールを送る。オンラインで会議をするなども可能です。
(4)採用ミスは致命傷
ミスマッチですね。仕事の内容が合わないこともあるでしょうし、人間関係や理念や方針が合わないということもあります。
このミスマッチを防ぐためには、先に「私たちの職場はこんなところです」という情報を公開し、できるだけ求人者に理解してもらうことが大切です。
(5)人が育てば企業も育つ
スタッフさんが定着すると、育成にかかる費用(お金と時間)がかなり削減されます。
また、定着するとサービスも向上するため、結果的に施設の評判も上がっていくことでしょう。
(6)部下の育成は仕事の一部
現場丸投げはNGです、と念押しされています。
(7)制度や仕組みだけでは動かない
人が動くのは感情が先です。
いくら給与が良くても、働きがいのない職場は離職率が高くなるか、仕事の質が落ちて行くものです。
人と人との関係をつくるために、便利なツールを活用しましょう。
(8)中小企業らしさに誇りをもつ
経営者の個性が施設の特徴にもなります。
また、その特徴が求職者の心に響くものです。
経営者の方も、自分の想いや未来について伝えるようにしましょう。
(9)真似ずに学べ
真似ることよりも、得た情報を自分のところに落とし込んで使う方法を考えましょう。
ライバルがはじめたから同じことを進めたとしても、経営者の方の個性や想い、理念や方針が違えばそのまま使うことはできません。
(10)経営者は教育者
求職者を採用したら終わりではありません。
その後の教育が必要です。
ここでも現場への丸投げはNGだと言われているのでしょう。
2: 人材を集める方法
10カ条、いかがだったでしょうか?
この中でも登場していましたが、やはり雇用に関してはミスマッチをどれだけ減らせるのかが重要だということです。
それでは、ここからは人材の集め方をお話します。
それぞれの特徴を知り、ミスマッチを起こしにくい方法を使いましょう。
(1)ハローワーク
メリットは「無料」で採用活動ができることでしょう。
しかし、ミスマッチを防ぐためには、ハローワークで公開する求人情報だけでは不足しています。
(2)大学・専門学校
これもメリットは「無料」で採用活動ができることです。
しかし、このケースは「経験者」を採用することは、ほぼできません。
新卒者がメインとなるので「教育して育てる」ことが必要になってきます。
(3)人材紹介
人材紹介会社から採用する方法です。
この方法は、人材紹介会社が選考までやってくれますので、採用の手間がかかりません。
しかし、採用された後は成果報酬型で料金が発生します。
また、同じような人を採用しようと思っても、採用のノウハウがこちらにはありませんので、またお金を使って人材紹介会社へ依頼することになります。
「コストよりも優れた人材」
ここを優先されるなら、ミスマッチが少ない方法だと言えます。
(4)人材派遣
一時的な即戦力として採用するならオススメです。
しかし、人材派遣の場合のデメリットは、派遣される人を選べないというところです。
また、優れた人が派遣されてきても、派遣期間が終わると戻っていかれますので、その人のスキルも一緒になくなってしまいます。
人材紹介と同じく
「コストよりも人材」
ここを優先されるなら、ミスマッチが少ない方法だと言えます。
(5)紹介
実は、これがもっともミスマッチの少ない採用方法です。
すでにお勤めのスタッフさんから紹介してもらえるなら、働き方なども伝わっていますから、ミスマッチをかなり避けることができるでしょう。
3: これからの求人にはWEBサイトは外せない
ここまでお話しました採用方法。
どうしてもミスマッチを出してしまうことが多いです。
そこで、今はテクノロジーの力を借りることで、ミスマッチを軽減することができます。
その方法とは「WEBサイト」を使った採用活動。
求人用ポータルサイト(マイナビなど)でも良いですし、独自に求人用サイトを用意するのもおすすめです。
WEBの力を使うことで、先ほどまで何度か出てきましたような「理念」「想い」「働き方」などを、非常に詳しく伝えることができます。
また、このようなWEBサイトを用意することができれば、ハローワークの求人票へ、WEBサイトを見てもらうように誘導すれば、ハローワークからの応募に対するミスマッチを減らすこともできるでしょう。
このように考えると、今の時代、求人活動をされている方のほとんどがスマートフォンを利用されていますから、WEBサイトで応募内容を詳しく掲載することが必要なのです。
4: ただ「募集しています」では誰も来ない
WEBサイトで採用活動を行うとき、ただ「応募しています」だけでは、誰も応募してくれません。
ここで応募してもらうために必要なのは、
- 施設の理念
- 施設の方針
- 働き方
- 先輩スタッフの声
最低でもこういった内容を伝えなくてはいけません。
しかし、これらを文章や写真だけで伝えるのは大変難しいもの。
そこで、これらを動画で撮影し伝えることで、見ている人も親近感が湧きやすいですし、人柄や施設の雰囲気も理解しやすくなります。
また、動画を通して「来てもらいたい人」を明確にしながら、カメラの前で話すことで「送ったメッセージに響いた人=マッチした人」だけが、応募へ進んでくれるようになります。
5: まとめ
介護の現場における人材獲得の問題点は、なんと言ってもミスマッチなのだろうと思います。
この場合のミスマッチとは職種だけではなく、施設の雰囲気や先輩スタッフさんとの関係性なども含んだミスマッチ。
こんなミスマッチを出来るだけなくすためには、求人者が「ここなら大丈夫」と思えるように動画を使って
- 施設の雰囲気
- 先輩スタッフの声
- 施設運営者の人柄
こういった、文章や写真だけでは伝わりにくいことを、動画を使って伝える努力が必要です。
採用しても数ヶ月で辞めてしまわれては、施設側も本人さんも幸せになれません。
ぜひ動画を活用して、ミスマッチを少なくしていってください。