チラシに変わる新しいツール地域集客ターゲティング
従来は地域での集客ツールといえば新聞折込チラシやポスティングチラシがメインでしたが、現在はデジタル化が進み、デジタルによる地域ターゲティングが徐々に主流になりつつあります。今回はその地域ターゲティング施策についてご説明したいと思います。
紙メディアとデジタルメディアの違い
新聞や新聞折込チラシ、ポスティングチラシとデジタルメディアの大きな違いは、リアルの紙メディアが一目で見やすい、保存しやすいというメリットがある反面、必要のない情報である場合、捨てる手間がかかる、資源の無駄を感じるなどのデメリットがあり、広告主からは印刷や折込のコストがかかりすぎるというデメリットがあります。
逆にデジタルメディアのメリットとしては、ターゲティング機能をうまく活用すれば広告コストは紙メディアの数分の一ですみ、チラシのように必要のない情報であってもゴミ箱にすてる必要がないなどのメリットがあります。
地域集客ターゲティングの種類
実は折込チラシは国勢調査などの情報に基づいた世帯年収や年齢層によって折込のエリアのセグメントを行なって配布することができます。これはポスティングや郵便局のメール便などのサービスでも同様に可能です。
ただし、セグメント項目としては先に挙げたように年収、年齢、、居住形態などある程度限られてきます。その点デジタルメディアにおいては、たとえばGoogleやyahoo!の地域集客ターゲティングには先に挙げた条件に加え、趣味・嗜好など行動特性を加えることができますし、最近ではDSP各社が様々な企業が保有する3rdパーティデータを掛け合わせることで、その企業の提供するサービスや商品を求める人、また届けたいターゲットを細かくセグメントして広告を配信することができるようになりました。
セグメントする分単価は若干上がっていきますが、コンバージョン率が上がればトータルのCPA自体は下がる計算となります。
地域集客ターゲティングを活用した成功例
yahooニュースやスマートニュースなどを閲覧していると、記事の中に自分の年齢と同じ人に対するメッセージの広告をみたことがあるかと思います。これは会員登録時の年齢や住所、もしくは位置情報などからセグメントされて広告主が広告を配信しているからです。
特に最近効果が上がっているのが、不動産や塾と言われています。また、広告にも自分が通勤で利用している電車やバスの路線上の新築マンションの広告だったり、自分の子供の年齢に合わせた近隣の塾の広告など、年齢・地域・家族構成など、タイミングを狙った広告が増えてきています。
Googleやyahoo!ではさらに検索時の趣味・嗜好など行動ターゲティングも掛け合わせたり、今後はアナリティクスによるビッグデータを掛け合わせることでさらに心理的に行動を促すような広告の登場が予想されています。
ジオターゲティング
ジオターゲティングは先に挙げたような会員登録時やIPによるターゲティングの他、契約している携帯電話のキャリアの位置情報データを活用したターゲティングもあります。こちらでは携帯電話をもったユーザーの動きを常時確認することで、店舗や施設に訪れた時の広告のプッシュ配信や、広告掲載後の動きの把握や来店時の行動記録からのトラッキングによるマーケティングデータの蓄積にもつながります。代表的な広告配信会社には下記のようなものがあります。
シナラ
シナラシステムズジャパンは、位置情報データと携帯キャリアの契約者情報という2つの貴重なデータを掛け合わせ、 広告主が今まで解決できなかった課題を、先進的なサービスによるソリューションを提供しています。
ジオロジック
こちらもシナラ同様、位置情報やネット広告配信などの膨大なデータを分析し、広告主の求める顧客を見つけ出し、マーケティング活動の支援を行うことのできるサービス提供社として知られています。店舗周辺に今いる人、居住者、過去に訪問した人のスマホへチラシを配信する感覚で広告配信ができます。
オーディエンスワン
1億以上のモバイル広告IDなどの膨大なデータを保有し、そのデータを解析して高精度な3rdパーティデータを生成/提供する国内最大級のデータ・マネジメント・プラットフォーム(DMP)として知られています。さらに提携する高精度位置データと連携し、アクセス元のエリア分析を郵便番号単位で確認することも可能です。
LIVEBOARD
LIVEBOARDでは現在、都市に存在する屋外ビジョン、屋外サイネージ、タクシー内サイネージなどとの連携を図り、それまで、単純に地域や都市の属性から先入観のみで掲出してきた場当たり的の広告掲載からデモグラ、サイコグラフィックまでも掛け合わせたプログマティックバイイングができるようになりました。
また、KDDIなどのキャリアが提供するジオデータを用いて、事前にセグメントしたリーチ可能な対象データとimp数などを割り出し、広告を配信、事後のレポートも提出できるようになっています。
SEO
当然ながらSEO対策においても地域集客戦略を意識したキーワード対策は必要です。タグ内への地域ワードの適切な配置はもちろんのこと、コンテンツのテーマ選びや記事内のワードの埋め込みもしっかりおこなっていくことで、将来的には特定キーワードにおけるトップページ表示を狙っていく必要があります。
競合調査
特に新事業を開始するにあたって、その商圏内のターゲット人口、競合などを事前に調査することは当たり前ですが、検索連動型広告において地域ワードを入れることからスタートする会社はほとんどの会社がまず初めに行うことです。キーワードプランナーなどでその地域の競合がどのくらいの単価で入札しているのかなどを調べておく必要があります。
また、SEOにおいても地域ワードを意識して施策を継続していくことで先々の広告コストも大幅に削減することができます。ぜひ実践してみてください