集客に大きく貢献したTVCMの成功事例
マーケティング戦略は世界的な経済発展とともに日々進化しています。また、マーケティング戦略は成功すれば製品の売り上げや集客力を何倍にも成長させる力をもっています。特にTVCMは2019年にはその広告取り扱い高がインターネットに抜かれたとはいえ、CMによる影響は口コミなどによるバズの発生力も手伝えばどの媒体よりも大きく売り上げや利益に貢献できる広告の王様であることは今でも代わりはありません。今回はその中で誰もが記憶に新しいインパクトのあるいくつかの事例を紹介いたします。
目次
TVCM成功事例
メルセデスベンツ
メルセデスメンツはそれまでは富裕層にしか購入できない代表的な車として認識されていたかと思いますが、数年前からゲームキャラクターのマリオやアニメを使った低価格帯を訴求するCMを打ち出していわゆる中流層や若年層の購入者を増やしています。当然ながら高価格帯の車種は売り上げを上げていますが、高齢化や人口減少の局面に入った日本においては新たな顧客層を開拓しなければならないという危機感のあらわれともいえます。しかしながら、この決断は従来のベンツの固いイメージをも良い意味で壊し、新しいステージに向かっていくパワーを消費者に感じさせたと思います。かつての成功や栄光にとらわれずに新しいブランディングを確立させてた素晴らしい決断であると思います。
くら寿司
くら寿司は回転寿司チェーンの中でも最もマーケティング戦略で成功した企業といえるでしょう。TVCMを用いて寿司以外のメニュー(カレーやから揚げなど)を強調していくこの手法は当初のうちは、よほど寿司の味に自信がないのだろうと思わせますが、実際に回転寿司を利用している人なら誰もが感じていると思われる、寿司のレベルにさほど大差がない点と、ファミリー層が多いため、ファミリーレストランのようにメニューが多才な方が客単価があがるという事実から一貫してサイドメニューを強調していきました。面白いもので、そのうち視聴者はくら寿司という存在が回転寿司というよりはファミリーレストランにいくというイメージになっているのでしょうか。回転寿司が横並びになっている中で突出したイメージを確立させ集客力をあげた好事例といえるでしょう。
エステー
誰もが見た覚えがあるであろう歌手T.M.Revolutionや役者でもある西川貴教さんの出演する有名な消臭力のCM。エステー株式会社 エグゼクティブ クリエイティブ ディレクター 鹿毛 康司が仕掛けたCMとしてあまりに有名なこのCM広告・マーケティングに携わるものならこのCMの凄さはよくわかると思います。低予算にも関わらず世にないことをやって「小が大に勝つ」をモットーに、「特命宣伝部長」として15年に渡り、エステーのコミュニケーション領域の責任者を務めた鹿毛さんは就任1年後、日本の広告費ランク200位圏外のエステーを一気に34位のCM好感度企業に格上げし、「躍進企業賞」を受賞(CM総合研究所)。2015年、日経企業イメージ調査で「良い広告活動をしている会社」として広告費規模からは類を見ない日本5位にランクインしたという大成功をおさめています。
ダスキン
介護に悩むターゲットの40~60代女性へ向けたプロモーション動画です。実写ではリアルすぎてしまう介護の内容をアニメ化することでやわらかい表現が可能になり、ダスキンの介護サービスの内容や認知症、家族介護の辛さをアニメでわかりやすく伝え、対象者が理解できるようにしています。またこのCMによりサービスへの問い合わせが一気に増えたとのことです。
マクドナルド
マクドナルドは数年前に売り上げが落ち、危機的な状況に陥ったことがります。その後、代表取締役が変わって最初に行ったことは、TVCMによる消費者を巻き込んだハンバーガーの新ネーミング募集キャンペーンでした。このキャンペーンにより、それまでマクドナルドに興味のなかった層を巻き込み集客力を回復することに成功しました。
ケンタッキーフライドチキン
ケンタッキーフライドチキンは何十年も人々に愛され続けてきましたが、ここ数年の外食産業の低価格化競争に巻き込まれ、売り上げを落としていました。そこでKFCが行ったのは誰でも気軽に購入できる500円のランチパックでした。CMには高岡充希を起用し、ねえ今日ケンタッキーにしないというCMが受けて急激に集客および売り上げを伸ばしていきました。
CM放送までの流れ
1.業態審査
CMを放送する局や時間帯などが決定したら、TV局への審査書類が必要となります(会社概要、パンフレット、3ヶ月以内発行の登記簿謄本、許認可書類の写し等が必要。)ちなみに第三者機関 広告審査協会が訪問する可能性や公的機関に表現確認を取る必要が出てくる可能性もあります。
2.CM制作オリエンテーション
制作ディレクター、プロデューサー、クライアント、広告会社担当者が一堂に会して、ターゲットに対して何をどのように伝えるか演出を提案します。
3.絵コンテ制作
オリエンテーション後は制作会社からクライアントに対し、絵コンテによる数タイプの構成案を提案し、追加・修正を繰り返していきます。
4.ビデオコンテ制作
完成した絵コンテに基づき、ビデオによるコンテを制作します。クライアントのOKが出れば実際の撮影にとりかかる準備を行います。
5.CM審査
完成したビデオコンテをもって一度テレビ局側の審査に回します。CM審査でガイドラインに沿っていない表現や法律違反に関して指摘を受けた場合にはすぐに修正を行います。
CM制作準備
CM制作準備(出演者、衣装、撮影場所の選定)オーディションもしくは映像により、企業、監督、プロデューサー間で意見を出し合いながら出演者や衣装を選定します。
CM撮影
スタジオやロケなどで撮影を行います。撮影は基本一日、スタッフははやめに現場に入り、ライティングなどの調整を行います。
試写会
オフライン試写(仮編集映像の試写、BGM、ナレーター選定)撮影した映像を仮で繋ぎ合わせて、ナレーションを仮で当て込んだ映像の試写会を行い、クライアントの了解を得ます
本編集
テレビCMに使用できる書体や音量には決まりがあるためスタジオにてMA編集する必要があります。映像の最終チェック後、ナレーター収録をおこない、完成となります。取得した10桁コードを付与し、後日、搬入を行います。
視聴率報告
基本的に週一もしくは月一で視聴率を報告します。
ビデオリサーチ社のシステムからデータを抽出します。